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整数問題の難問!式の評価を考えさせられる問題!シンプルだけど難しい

整数問題の難問!式の評価を考えさせられる問題!シンプルだけど難しい 数A
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今回取り扱う問題は整数問題です。

整数問題得意な人でも結構考えさせられる問題かなと思います。

いろいろな整数を当てはめてみて、答えは分かるのですが、論述するとなるとなかなか満点取れる人は少ないでしょう。

難関大学とかで出題されそうな問題なので、整数問題で点を稼ぎたい人、難関大学志望の人はぜひ解いてみてください。

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それではさっそくやっていきましょう。

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問題文

相違なる$\, n\,$個の自然数の和と積が等しいとき、$n\,$の値とそれら$\, n\,$個の自然数の組をすべて求めよ。ただし、$n\geqq 2\,$とする。

これから先は解説になります。

自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。

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本問題を解く上での考え方・ポイント

整数問題の9割以上の問題は以下の3つの解き方で解くことができます。

①積の形を作る
②条件から範囲を絞る
③倍数や余りに注目する

今回の問題を読んでまず思ってほしいのは、和と積を比較したときに、明らかに積の方が上昇スピードが速く、すぐに大きくなるということは気づいてほしいです。

そこで、「条件から範囲を絞る」という解法で攻めていこうと思います。

まず、問題文を式で表すと以下のようになります。

$n\,$個の相違なる自然数をそれぞれ$a_1,\, a_2,\,\cdots \, ,a_n$として、
$1\leqq a_1 < a_2 < \cdots < a_n\,$とします。

そうすると、問題文を式で表すと、

$a_1 + a_2 + \cdots + a_n = a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n$

と表すことができます。

では、$n\,$の範囲を絞っていきたいということなのですが、先述した通り、積の方が上昇スピードは速く、和の方が上昇スピードが遅いので、積の形の部分を下から評価し、和の形の部分を上から評価していきたいです。

積の形の部分を考えると、下から評価したいので、$a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n$が一番小さい時を考えます。

$a_1=1,\, a_2=2,\, \cdots ,\,a_n=n\,$のときが最小となるので、$a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n \, \geqq n!$と評価することができます。

また、和の部分を考えると、上から評価したいので、$a_1 + a_2 + \cdots + a_n$が一番大きい時を考えます。

$a_{n-1}=a_n-1,\,a_{n-2}=a_n-2,\,a_1=a_n-(n-1)\,$のときが最大となるので、$a_1 + a_2 + \cdots + a_n \leqq na_n – \dfrac{1}{2}n(n-1)\,$と評価することができます。

よって、$na_n – \dfrac{1}{2}n(n-1) \geqq n!$という式を得ることができるのですが、$a_n\,$も$\, n \,$も残っており嬉しくありません。

ここからがこの問題の差がつくポイントです。

$n\,$の範囲を今回絞りたいので、$a_n\,$をなんとかして消したいです。そこで評価の仕方を変えてみます。

上からの評価をもう少しざっくり、$a_1 + a_2 + \cdots + a_n < na_n \,$とし、下からの評価も$a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n \, \geqq (n-1)! \cdot a_n$とします。

そうすると、$na_n > (n-1)! \cdot a_n\,$という式を得ることができ、両辺を$\, a_n \,$で割ることができ、$n\,$だけの式を得ることができます。

ここまでできたら、あとは$\,n\,$の取りうる値が分かるので、それぞれのときを調べていけば良さそうです。

ということで、解答を書いていきます。

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解答・解説

解答

$n\,$個の相違なる自然数をそれぞれ$a_1,\, a_2,\,\cdots \, ,a_n$とし、
$1\leqq a_1 < a_2 < \cdots < a_n\,\cdots$①とする。

条件より、
$a_1 + a_2 + \cdots + a_n = a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n$
が成り立つ。

$a_1 + a_2 + \cdots + a_n\,$について考えると、
$a_1 + a_2 + \cdots + a_n < na_n \,$が成り立つ。$(\because \,$①より$)$

また、$a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n\,$について考えると、
$a_1 \times a_2 \times \cdots \times a_n \, \geqq (n-1)! \cdot a_n\,$が成り立つ。$(\because \,$①より$)$

$\therefore \,na_n > (n-1)! \cdot a_n$
$\Leftrightarrow$ $n>(n-1)!$ $\cdots$②

②を満たす$\,n\,$について考える。

(ⅰ)$n=2\,$のとき②を満たす。
(ⅱ)$n=3\,$のとき②を満たす。
(ⅲ)$n=4\,$のとき②を満たさない。

ここで、$n\geqq 4$において、$n<(n-1)!\,\cdots (\ast)$が成り立つことを証明する。

(Ⅰ)$n=4$のとき、
(左辺)$=4$
(右辺)$=3!=6$となり、$(\ast )$が成り立つ。

(Ⅱ)$n=k$のとき、$(\ast )$が成り立つとする。$(k\geqq 4)$
$k<(k-1)!$
$n=k+1\,$のときを考えると、
$k+1<(k-1)!+1<k!\,$であるから、
$n=k+1\,$のときも$(\ast )$が成り立つ。

(Ⅰ)(Ⅱ)より、$n\geqq 4$において、$(\ast )$が成り立つ。

$\therefore \,$②を満たす自然数$\,n\,$は、$n=2,\, 3$のみである。

(ア)$n=2\,$のとき、
$a_1 + a_2 = a_1a_2$
$\Leftrightarrow$ $(a_1-1)(a_2 -1)=1$

$a_1,\,a_2$は相違なる自然数であるから、これを満たすような$\,a_1,\,a_2$は存在せず不適。

(イ)$n=3\,$のとき、
$a_1 + a_2 + a_3= a_1a_2a_3$

$a_1 + a_2 + a_3 < 3a_3\,$であるから、
$a_1a_2a_3 < 3a_3$が成り立つ。

$\therefore \,$ $a_1a_2 < 3$

$\therefore \,$ $a_1=1,\,a_2=2$ $(\because \,$①より$)$

このとき、$3+a_3=2a_3\,$でありこれを解くと、$a_3=3$

$\therefore \,$ 求める解は、$n=3\,$で自然数の組は$\,(1,\, 2,\, 3)$

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さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回はシンプルだけど難しい整数問題を解説しました。

式を評価するときに、文字を消したいと考えてうまく評価する必要があるような問題でした。

また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。

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レベル別におすすめの参考書をまとめているので、参考書・問題集選びの参考にしてもらえれば幸いです。

今回は以上です。

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