今回取り扱う問題は2023年京都大学の問題です。
漸化式はパターンです。パターンをしっかり頭に入れておけば解けます。
今回の京大の問題も漸化式の典型的なパターンの問題なので、しっかり解けるようになっておきたいです。
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それではさっそくやっていきましょう。
問題文
$$a_1=3,\,a_n=\dfrac{S_n}{n}+(n-1)\cdot 2^n\,(n=2,3,4,\cdots )$$
ただし、$S_n=a_1+a_2+\cdots +a_n\,$である。このとき、数列$\,\{a_n\}\,$の一般項を求めよ。
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
本問題は漸化式の中に$\, S_n\,$を含んでいます。
$n\,$項までの和を表した$\, S_n\,$を含んでいるような漸化式は以下を使うのが定石です。
$a_{n+1}=S_{n+1}-S_n$
$a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (k+3)\cdot 2^k $
と表すことができます。
(等差数列)×(等比数列)の和なので、公比をかけて引き算するよく見るやつです。
解答・解説
考え方やポイントを踏まえたところで、本問題の解答です。
解答
$n\geqq 2\,$において、
$a_n=\dfrac{S_n}{n}+(n-1)\cdot 2^n$
$\Leftrightarrow S_n=na_n-n(n-1)\cdot 2^n$ $\cdots$①
①の右辺に$\, n=1\,$を代入すると$\, a_1\,$となる。
$a_1=S_1\,$であるから、①は$\, n=1\,$のときも成り立つ。
$a_{n+1}=S_{n+1}-S_n\,$であるから、
$a_{n+1}=(n+1)a_{n+1}-(n+1)n\cdot 2^{n+1}-na_n+n(n-1)\cdot 2^n$
$\Leftrightarrow na_{n+1}=na_n+n(n+3)\cdot 2^n$
$\Leftrightarrow a_{n+1}=a_n+(n+3)\cdot 2^n$
$\Leftrightarrow a_{n+1}-a_n=(n+3)\cdot 2^n$
$\therefore \, n\geqq 2\,$において、
$a_n=a_1+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (k+3)\cdot 2^k $ $\cdots$②
$T_n=\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (k+3)\cdot 2^k\,$とおく。
$T_n=4\cdot 2^1+5\cdot 2^2+\cdots +(n+2)\cdot 2^{n-1}$ $\cdots$③
$2T_n=\qquad +4\cdot 2^2+\cdots +(n+1)\cdot 2^{n-1}+(n+2)\cdot 2^n$ $\cdots$④
③-④より、
$-T_n=8+(2^2+\cdots +2^{n-1})-(n+2)\cdot 2^n$
$\qquad = 8+\dfrac{4\cdot (2^{n-2}-1)}{2-1}-(n+2)\cdot 2^n$
$\therefore \,$ $T_n=(n+1)\cdot 2^n-4$
②に代入して、
$\therefore \,$ $a_n=3+\{(n+1)\cdot 2^n -4\}$
$\qquad =(n+1)\cdot 2^n -1$ $(n\geqq 2)$ $\cdots$⑤
⑤に$\,n=1$を代入すると、
$a_1=2\cdot 2^1 -1=3\,$であるので⑤は$\, n=1\,$のときも成り立つ。
$\therefore \,$ $a_n=(n+1)\cdot 2^n -1$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2023年京都大学の文系で出題された漸化式の問題を解説しました。
漸化式はパターンなので、多くの問題に触れておくことで解けるようになります。
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