今回取り扱う問題は2012年大阪大学の前期で出題された問題です。
点が動く問題は苦手とする人が多く、差がつきます。今回の問題は2点が動くときの最小値を考えさせられるような問題です。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
$a>0$とする。$C_1$を曲線$x^2+\dfrac{y^2}{a^2}=1,\,$ $C_2$を直線$y=2ax-3a$とする。このとき,以下の問いに答えよ。
(1)点$P$が$C_1$上を動き,点$Q$が$C_2$上を動くとき,線分$PQ$の長さの最小値を$f(a)$とする。$f(a)$を$a$を用いて表せ。
(2)極限値$\displaystyle\lim_{a\to \infty}f(a)$を求めよ。
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
(2)は(1)が解ければ、おまけのような問題です。
今回差がつく問題は(1)です。
まず、文では考えにくいので、曲線$C_1$と直線$C_2$を図で表すと以下のようになります。
点$P$が楕円上のどこかにあり、点$Q$が直線上のどこかにあり、その線分$PQ$の長さが最小となるようなときを考えていきたいです。
2点動くとややこしいので、点$P$を楕円上のどこかに固定して考えてみます。下図のような場所に点$P$があると考えたとき、線分$PQ$の長さが最小となるようなときというのは、直線$C_2$に垂線を下したときの交わる点が点$Q$であれば良いことが分かります。
点$P$は楕円上の点なので、$(\cos\theta ,\,a\sin\theta)\,(0\leqq\theta < 2\pi)$と表すことができます。
あとは、その点$P$と直線$C_2$の長さを文字で表してから、その長さの最小値を考えていけば良さそうです。
解答・解説
(1)の解答
線分$PQ$の長さが最小となるのは、点$P$から直線$C_2$に垂線を下したとき。
点$P$は楕円$C_1$上の点であるから、$(\cos\theta ,\,a\sin\theta)\,(0\leqq\theta < 2\pi)$と表せる。
$PQ$の長さを$F(a)$とすると、
$F(a)=\dfrac{|2a\cos\theta -a\sin\theta -3a|}{\sqrt{4a^2+1}}$
$\qquad =\dfrac{a}{\sqrt{4a^2+1}}|2\cos\theta -\sin\theta -3|$ $(\because \,$点と直線の距離の公式より$)$
ここで$|2\cos\theta -\sin\theta -3|$について考える。
$|2\cos\theta -\sin\theta -3|$
$=|\sqrt{5}\cos (\theta + \alpha )-3|$ $($ただし,$\cos\alpha = \frac{2}{\sqrt{5}},\,\sin\alpha =\frac{1}{\sqrt{5}})$
$-1\leqq \cos (\theta + \alpha )\leqq 1$であるから、
$-\sqrt{5}-3\leqq \sqrt{5}\cos (\theta + \alpha)-3\leqq\sqrt{5}-3$
$\therefore \,$ $|2\cos\theta -\sin\theta -3|$の最小値は$3-\sqrt{5}$
$\therefore \,$ $f(a)=\dfrac{a(3-\sqrt{5})}{\sqrt{4a^2+1}}$
(2)の解答
$f(a)=\dfrac{a(3-\sqrt{5})}{\sqrt{4a^2+1}}$
$\displaystyle\lim_{a\to \infty}f(a)$
$=\displaystyle\lim_{a\to \infty}\dfrac{(3-\sqrt{5})}{\sqrt{4+\frac{1}{a^2}}}$
$=\dfrac{3-\sqrt{5}}{2}$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2012年大阪大学の問題を解説しました。
点が動く問題は差がつくので、しっかり取れるようになっておくことで合格がぐっと近づきます。
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今回は以上です。