今回取り扱う問題は2023年関西医科大学の問題です。
誘導がついた親切な整数問題です。誘導が親切なだけに、絶対に落としてはいけないような問題でした。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
(2) $(a+1)(a-1)(b+1)(b-1)=4ab$を満たす整数$\,a,\,b\,$の組で,$a<b\,$の条件を満たすものは$\boxed{\vphantom{0}\qquad}$組あり、そのなかで$\,a,\,b\,$のどちらも正の整数となる組$\,(a,\,b)\,$は$\boxed{\vphantom{0}\qquad}$である。
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
さて、今回の問題は整数問題なわけですが、整数問題を解く上で、9割以上は下記の解き方で解くことができます。
②条件から範囲を絞る
③倍数や余りに注目する
(1)で因数分解をさせているので、積の形を作る解法で攻めていきましょう。
また、因数分解の基本は下記の通りです。
②公式やたすき掛けの利用
③最低次数の文字で整理する(次数が同じ場合は、一つの文字で整理)それでも、因数分解できなければ・・・
・文字を置き換える
・項の組み合わせをいろいろ考えてみる
・複二次式は(2乗)-(2乗)を作れないか考える etc…
解答・解説
(1)解答 解法①一つの文字で整理
$(a+1)(a-1)(b+1)(b-1)-4ab$
$=(a^2-1)(b^2-1)-4ab$
$=(b^2-1)a^2-4ba-(b^2-1)$
$=(b+1)(b-1)a^2-4ba-(b+1)(b-1)$
$=\{(b+1)a+(b-1)\}\{(b-1)a-(b+1)\}$
$=(ab+a+b-1)(ab-a-b-1)$
(1)別解 解法②項の組み合わせ考える
$(a+1)(a-1)(b+1)(b-1)-4ab$
$=(a^2-1)(b^2-1)-4ab$
$=a^2b^2-a^2-b^2+1-4ab$
$=(a^2b^2-2ab+1)-(a^2+2ab+b^2)$
$=(ab-1)^2-(a+b)^2$
$=(ab+a+b+1)(ab-a-b-1)$
(2)解答
$(a+1)(a-1)(b+1)(b-1)=4ab$
$\Leftrightarrow (a+1)(a-1)(b+1)(b-1)-4ab=0$
$\Leftrightarrow (ab+a+b+1)(ab-a-b-1)=0$ $(\because \,(1)より)$
$\therefore \,$ $ab+a+b+1=0$ $,ab-a-b-1=0$となる$a,\,b\,$を求めればよい。
$(ⅰ)ab+a+b+1=0$のとき
$ab+a+b+1=0$
$\Leftrightarrow (a+1)(b+1)=2$
$a<b$の条件より,$a+1<b+1$であるから、
$(a+1,\,b+1)=(1,\,2),\,(-2,\,-1)$
$\therefore \,$ $(a,\,b)=(0,\,1),\,(-3,\,-2)$
$(ⅱ)ab-a-b-1=0$のとき
$ab-a-b-1=0$
$\Leftrightarrow (a-1)(b-1)=2$
$a<b$の条件より,$a-1<b-1$であるから、
$(a-1,\,b-1)=(1,\,2),\,(-2,\,-1)$
$\therefore \,$ $(a,\,b)=(2,\,3),\,(-1,\,0)$
(ⅰ)(ⅱ)より,$a<b$の条件を満たすものは4組あり、
そのなかで$a,\,b\,$のどちらも正の整数となる組は$(a,\,b)=(2,\,3)$である。
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2023年関西医科大学の整数問題を解説しました。
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レベルに応じた参考書をやり切る→数学力が向上→レベルに応じた参考書をやり切る→・・・と取り組んでいくことで力がつきます。
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今回は以上です。