今回取り扱う問題は2014年九州大学の問題です。
整数問題の難問です。無限降下法という方法を用いて解いていきます。
無限降下法は知っているか知っていないかで差が出ます。無限降下法とは何かについても解説するので、ぜひ最後までお読みください。
それではさっそくやっていきましょう。
勉強おすすめアイテム
問題文
これから先は解説になります。 自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
動画で解説を見たい方へ
YouTubeでも本問題を解説しています。
動画での解説は下記より確認できます。
YouTubeでも数学・算数の良問や難問を解説しています。
良かったらチャンネル登録お願いします。 チャンネル登録はこちら
本問題を解く上での考え方・ポイント
今回、無限降下法を使って証明をしていきます。
「無限降下法」という言葉を知っている受験生は少ないと思います。まず、無限降下法とは何なのかについて解説していきます。
無限降下法とは
自然数の集合には必ず最小の元が存在することを利用。
それをどうやって利用するの?
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
解答・解説
解説
では、今回の問題どこから手をつけていこうとなるかもしれませんが、平方数の形を見たら、整数問題は$\bmod 3や\bmod 4$を疑ってみるといいです。
というのも、平方数の$\bmod 3や\bmod 4$は必ず$0または1$という重要な性質があります。
今回$3c^2$という形があるので、$\bmod 3$を考えてみましょう。
そして進めていくと、$a,\, b,\, c$ともに3の倍数であると分かります。
$a=3a_1,\, b=3b_1,\, c=3c_1$として、$a^2+b^2=3c^2$に代入すると,
$a_1^2+b_1^2=3c_1^2$となり、$a^2+b^2=3c^2$と全く同じ形が出てきます。
つまり、同じく$a_1,\, b_1,\, c_1$がともに3の倍数となり、この操作を無限に繰り返すことができてしまいます。
ですが、無限に3で割ることのできる自然数なんてものは存在せず、必ずどこかで最小の元の1にぶつかります。
ここまでの内容を踏まえながら、解答を書くと下記の通りです。
解答
$a^2+b^2=3c^2$を満たす自然数$a,\, b,\, c$が存在すると仮定する。
自然数$n$の2乗を3で割ったときの余りについて考える。以下、法を3として、
(ⅰ)$n\equiv 0$のとき、$n^2\equiv 0$
(ⅱ)$n\equiv 1$のとき、$n^2\equiv 1$
(ⅲ)$n\equiv 2$のとき、$n^2\equiv 4\equiv 1$
$a^2+b^2=3c^2$より、$a^2+b^2$は3の倍数。
$a^2+b^2$が3の倍数となるためには、(ⅰ)~(ⅲ)より$a^2\equiv 0,\, b^2\equiv 0$であり、$a\equiv 0,\, b\equiv0$となる。
$\therefore \,$ $a,\, b$は3の倍数。
$a=3a_1,\, b=3b_1$とすると,
$9a_1^2+9b_1^2=3c^2$
$\Leftrightarrow$ $c^2=3(a_1^2+b_1^2)$
$\therefore \,$ $c^2$は3の倍数であり、(ⅰ)~(ⅲ)より$c$も3の倍数。
$\therefore \,$ $a=3a_1,\, b=3b_1,\, c=3c_1$として,$a^2+b^2=3c^2$に代入すると,
$9a_1^2+9b_1^2=27c_1^2$
$\Leftrightarrow$ $a_1^2+b_1^2=3c_1^2$
この操作を繰り返すと、自然数$a_k,\, b_k,\, c_k$は無限に小さくすることができる。($k$は1以上の自然数)
これは$a_k,\, b_k,\, c_k$が自然数であることに矛盾。
よって,題意は示された。
受験勉強・予習復習にはスタサプ
自宅でトップ講師による授業を受けることができるスタサプ。
予備校に通わなくても、スマホで自分のレベルに合わせて授業を受けることができます。
6教科19科目に対応。共通テスト対策講座や志望校別対策講座も全て見放題です。
(僕も数学の学び直しで活用していますが、控えめに言って最高です)
無料体験もあるので、本気で成績を伸ばしたい人はぜひ。
※無料体験はいつ終わるか分からないのでお早めに
さいごに 整数問題は差がつきやすい!しっかりと対策しよう!
いかがでしたでしょうか。
今回は2014年九州大学の問題を解説しました。
整数問題は得意な人と苦手な人で差がつきやすい問題です。ですが、多くの整数問題はある程度パターン化されており、多くの問題を解くことで得意になります。
整数問題は難関大学が好んで出すので、難関大学や医学部志望の方はしっかりと対策しておくべきです。
整数問題を学習したいなら、下記の参考書がおすすめです。
また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。
参考書はとにかく自分に合ったレベルのものを1冊やり切ることがとにかく重要です。
レベルに応じた参考書をやり切る→数学力が向上→レベルに応じた参考書をやり切る→・・・と取り組んでいくことで力がつきます。
レベル別におすすめの参考書をまとめているので、参考書・問題集選びの参考にしてもらえれば幸いです。
参考になれば幸いです。
今回は以上です。