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2006年大阪大学文系大問2の対数の解答・解説

2006年大阪大学文系大問2の対数の解答・解説 数Ⅱ
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今回取り扱う問題は2006年大阪大学の問題です。

 

対数の値を評価するような問題です。

 

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それではさっそくやっていきましょう。

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問題文

 自然数$\,m,n\,$と$\,0<a<1\,$を満たす実数$\,a\,$を,等式$\,\log_2 6 = m + \frac{1}{n+a}\,$が成り立つようにとる。
(1)自然数$\,m,n\,$を求めよ。
(2)不等式$\,a>\frac{2}{3}\,$が成り立つことを示せ。

これから先は解説になります。

自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。

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本問題を解く上での考え方・ポイント

対数の値を評価するような問題です。

 

与えられた式からまずどのようなことが言えるか考えてみます。

$n\,$は自然数、実数$\,a\,$は$\,0<a<1\,$であるので、$n+a>1\,$となります。

ですので、$0<\frac{1}{n+a}<1$と分かります。

 

つまり、$\,\log_2 6 = m + \frac{1}{n+a}\,$における$\,m\,$は$\log_2 6$の整数部分、$\frac{1}{n+a}\,$は$\log_2 6$の小数部分と分かります。

 

このことから計算していくと、$m=2,\frac{1}{n+a}=\log_2 3 -1$と分かります。

では、$\log_2 3$はどのような値なのかを自分で評価する必要があります。
$2^p<3^q<2^r$と評価し、各辺$\log_2$を取ることで、
$p<q\log_2 3<r\,$と$\,\log_2 3\,$の値を評価することができます。
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解答・解説

解説

上記で解説した通り、$2^p<3^q<2^r$の不等式を考えていきます。

 

$2$のべき乗と$3$のべき乗で値が近いものを探します。

 

$2^3<3^2$と、$3^3<2^5$を今回は考えていこうと思います。
(↑これで求まらなければ、もっと厳しい評価が必要になります。)

 

(2)については、$m,n$の値が求まっているので、直接$a$と$\frac{2}{3}$を比較します。

$a-\frac{2}{3}$を計算して、$0$より大きければ$a>\frac{2}{3}$ですね。

(1)の解答

$\,\log_2 6 = m + \frac{1}{n+a}\,\cdots (*)$とおく。

 

$0<\frac{1}{n+a}<1$であるから、$m\,$は$\log_2 6$の整数部分、$\frac{1}{n+a}\,$は$\log_2 6$の小数部分である。

 

$\log_2 4<\log_2 6<\log_2 8$
$2<\log_2 6<3$であるから、$m=2$

 

(*)に$\,m=2\,$を代入すると、
$\log_2 6 = 2 + \frac{1}{n+a}$

$\therefore \,\frac{1}{n+a} = \log_2 6 -2$
$= \log_2 2\cdot 3 -2$
$= \log_2 2 + \log_2 3 -2$
$=\log_2 3 -1$

ここで、$\log_2 3$について考える。

$2^3<3^2$より、
$3<2\log_2 3$
$\frac{3}{2}<\log_2 3$

$3^3<2^5$より、
$3\log_2 3<5$
$\log_2 3<\frac{5}{3}$

$\therefore \, \frac{3}{2}<\log_2 3 < \frac{5}{3}$
$\frac{1}{2}<\log_2 3 -1<\frac{2}{3}$
$\frac{1}{2}<\frac{1}{n+a}<\frac{2}{3}$
$\frac{3}{2}<n+a<2$

$n\,$は自然数、$0<a<1$より、$n=1$

$\therefore \,(m,\, n)=(2,\, 1)$

(2)の解答

(1)より、
$\frac{1}{1+a}=\log_2 3-1$
$\Leftrightarrow a+1=\frac{1}{\log_2 3 -1}$
$\Leftrightarrow a=\frac{1}{\log_2 3-1}-1$

$a-\frac{2}{3}=\frac{1}{\log_2 3-1}-\frac{5}{3}$
$=\frac{3-5(\log_2 3 -1)}{3(\log_2 3 -1)}$
$=\frac{8-5\log_2 3}{3(\log_2 3 -1)}$

$\frac{8-5\log_2 3}{3(\log_2 3 -1)}$の分母、分子についてそれぞれ考える。

$8-5\log_2 3=\log_2 2^8-\log_2 3^5$
$=\log_2 256 – \log_2 243$
$>0$

$\log_2 3 -1=\log_2 3 -\log_2 2 >0$

$\therefore \,\frac{8-5\log_2 3}{3(\log_2 3 -1)}>0$

よって、$a>\frac{2}{3}$は示された。

(2)の別解について

(1)で$2^3<3^2$と、$3^3<2^5$を考えていましたが、
この際により厳しい値で評価していれば、(2)は実は一瞬で証明することができていました。

$2^3<3^2$と、$3^5<2^8$で考えてみます。

$2^3<3^2$より、
$3<2\log_2 3$
$\frac{3}{2}<\log_2 3$

$3^5<2^8$より、
$5\log_2 3<8$
$\log_2 3<\frac{8}{5}$

$\therefore \,\frac{3}{2}<\log_2 3<\frac{8}{5}$

$\therefore \, \frac{3}{2}<\log_2 3 < \frac{8}{5}$
$\frac{1}{2}<\log_2 3 -1<\frac{3}{5}$
$\frac{1}{2}<\frac{1}{n+a}<\frac{3}{5}$
$\frac{5}{3}<n+a<2$

$n\,$は自然数、$0<a<1$より、$n=1$

$\therefore \,\frac{5}{3}<1+a<2$
$\frac{2}{3}<a<1$

というように、(1)で$\,m,n\,$の値を求めたら、そのまま$a>\frac{2}{3}$が実は言えてしまいました。

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さいごに

いかがでしたでしょうか。

 

今回は2006年大阪大学の問題を解説しました。

 

$log$の値を自分で不等式評価するような問題は頻出です。これを機に解けるようになってもらえると嬉しいです。

 

また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。

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今回は以上です。

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