今回取り扱う問題は2023年大阪大学の文系で出題された問題です。
対数が絡んだ問題ですが、微分の力が試される問題です。
文字の値によって、最大値・最小値を取る値が変わるような問題で、微分が得意な人と苦手な人で差がつきます。
微分を勉強中の人、微分に強くなりたい人、受験生はぜひ最後までお読みください。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
$y=\big (\log_{\frac{1}{2}}x\big )^3+a\big (\log_{\sqrt{2}}x\big )\big (\log_{4}x^3\big )$
とする。
(1)$t=\log_{2}x\,$とするとき,$y\,$を$\,a,\, t\,$を用いて表せ。
(2)$x\,$が$\dfrac{1}{2}\leqq x\leqq 8\,$の範囲を動くとき,$y\,$の最大値$\, M\,$を$\, a\,$を用いて表せ。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
(1)の誘導がなくても、解けるようになりたい問題です。
(1)は底が$\,\frac{1}{2},\sqrt{2},4\,$ということなので、見た瞬間に底を$\, 2\,$で揃えたいと考えたいです。
(1)は丁寧に$\,t=\log_{2}x\,$と与えてくれています。対数の底の変換公式を用いて、底を$\, 2\,$で揃えましょう。
本問題の差がつくのは(2)です。
(1)で求めた結果、$y\,$は$\, t\,$の3次関数で表すことができます。また、$x\,$が$\dfrac{1}{2}\leqq x\leqq 8\,$ということで、$-1\leqq t\leqq 3$です。
この範囲で最大値を考えるということで、微分していくのですが、$y’=0\,$となる$\, t\,$は$\,t=0,\, 2a\,$と分かります。
この$\,2a\,$の値によって、増減表は変わってくるので場合分けする必要があります。
($2a\,$が3以上のときと3未満のときの2つで場合分けします。)
(ざっくりとした増減表ですが、以下の2つで場合分けする必要があります。)
また、最大値を取る候補が複数出るので、どちらが最大になるかをきちんと考える必要もあります。
解答・解説
では、上記のポイントを抑えたところで解答です。
(1)の解答
$y=\big (\log_{\frac{1}{2}}x\big )^3+a\big (\log_{\sqrt{2}}x\big )\big (\log_{4}x^3\big )$
$\quad =\Big (\dfrac{\log_2 x}{\log_2 \frac{1}{2}}\Big )^3 + a\Big (\dfrac{\log_2 x}{\log_2 \sqrt{2}}\Big )\Big (\dfrac{\log_2 x^3}{\log_2 4}\Big )$
$\quad =(-\log_2 x)^3 + a\Big (\dfrac{\log_2 x}{\frac{1}{2}}\Big )\Big (\dfrac{3\log_2 x}{2}\Big )$
$\quad = -t^3+3at^2$
(2)の解答
$f(t)=-t^3+3at^2\,$とおく。
$x\,$が$\dfrac{1}{2}\leqq x\leqq 8\,$であるから、$\log_2 \dfrac{1}{2}\leqq \log_2 x\leqq \log_2 8$である。
$\therefore \, -1\leqq t\leqq 3$
$f'(t)=-3t^2+6at$
$\quad = -3t(t-2a)$
$\therefore \, f'(t)=0\,$のとき,$t=0,\, 2a$
(ⅰ)$0<2a<3\,$すなわち、$0<a<\frac{3}{2}\,$のとき、
増減表は下記。
最大値となり得るのは、$f(-1)=3a+1\,$、もしくは$f(2a)=4a^3\,$である。
$4a^3\,$と$\,3a+1\,$の大小関係について考える。
$4a^3-(3a+1)$
$=(a-1)(4a^2+4a+1)$
$=(a-1)(2a+1)^2$
$a\,$は正の実数より、$(2a+1)^2>0$
$\therefore \,$ $0<a<1\,$のとき、$4a^3<3a+1$
$1\leqq a<\frac{3}{2}\,$のとき、$4a^3\geqq 3a+1$
以上より、
$0<a<1\,$のとき、$M=f(-1)=3a+1$
$1\leqq a<\frac{3}{2}\,$のとき、$M=f(2a)=4a^3$
(ⅱ)$2a\geqq 3\,$すなわち、$a\geqq \frac{3}{2}\,$のとき、
増減表は下記。
$3a+1\,$と$\,27a-27\,$の大小関係について考える。
$(27a-27)-(3a+1)$
$=24a-28$
$\geqq 24\cdot\frac{3}{2} -28$
$=8>0$
$\therefore \,$ $a\geqq \frac{3}{2}\,$において、$27a-27>3a+1$
$\therefore \,$ $M=f(3)=27a-27$
(ⅰ)(ⅱ)より、求める$\,M\,$は
$3a+1(0<a<1)$
$4a^3(1\leqq a<\frac{3}{2})$
$27a-27(a\geqq \frac{3}{2})$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2023年大阪大学の対数×微分の問題を解説しました。
文字が取り得る値の範囲をしっかりと考え、文字の値によって最大値・最小値を取る場所が変わるような問題は頻出で差がつくので、しっかりと解けるようになっておきましょう。
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