今回取り扱う問題は2023年一橋大学の整数問題です。
二項係数(コンビネーション)を含んだ整数問題です。一橋大学の整数問題としては比較的簡単な問題だったので、一橋大学受験生は落としたくないような問題でした。
それではさっそくやっていきましょう。
勉強おすすめアイテム
問題文
$${}_{n+2}C_{k+1}=2\big({}_nC_{k-1}+{}_nC_{k+1}\big)$$
が成り立つような整数の組$\,(n,\,k)\,$を求めよ。
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
動画で解説を見たい方へ
YouTubeでも本問題を解説しています。
動画での解説は下記より確認できます。
YouTubeでも数学・算数の良問や難問を解説しています。
良かったらチャンネル登録お願いします。 チャンネル登録はこちら
本問題を解く上での考え方・ポイント
さて、今回の問題は整数問題なわけですが、整数問題を解く上で、9割以上は下記の解き方で解くことができます。
②条件から範囲を絞る
③倍数や余りに注目する
そこで、今回の問題の特徴的なのが、$n\,$が$\,2\,$以上$\,20\,$以下の整数と既に範囲がかなり絞られている点です。
$\,2\,$以上$\,20\,$以下の整数を一つ一つ当てはめてみてももちろん解は出せるのですが、19個も調べるのはなかなかに大変です。
そこで、$n\,$の候補を条件よりもっと絞り込もうという方針を立てて解いていきます。
また、与えられた方程式はコンビネーションを含んでおり、扱いにくいので分数の形に変形してから解いていきましょう。
解答・解説
解答
${}_{n+2}C_{k+1}=2\big({}_nC_{k-1}+{}_nC_{k+1}\big)$
$\Leftrightarrow$ $\dfrac{(n+2)!}{(k+1)!(n-k+1)!}=2\bigg\{\dfrac{n!}{(k-1)!(n-k+1)!}+\dfrac{n!}{(k+1)!(n-k-1)!}\bigg\}$
両辺に$(k+1)!(n-k+1)!をかけると$
$(n+2)!=2n!\bigg\{k(k+1)+(n-k+1)(n-k)\bigg\}$
$\Leftrightarrow$ $(n+2)(n+1)=2\bigg\{k(k+1)+(n-k+1)(n-k)\bigg\}$
$\Leftrightarrow$ $n^2+3n+2=2(k^2+k)+2n^2-4nk+2k^2+2n-2k$
$\Leftrightarrow$ $4k^2-4nk+n^2-n-2=0\cdots ①$
①より、解の公式より、
$k=\dfrac{2n\pm \sqrt{4n^2-4(n^2-n-2)}}{4}$
$\,\,=\dfrac{n\pm \sqrt{n+2}}{2}\cdots ②$
$k\,$は整数であるから、$\sqrt{n+2}\,$は整数であることが必要。
すなわち、$n+2\,$が平方数であることが必要。
$2\leqq n\leqq 20\,$であるから、$4\leqq n+2\leqq 22$
$\therefore \,$ $n+2=4,\,9,\,16$
$\therefore \,$ $n=2,\,7,\,14$
(ⅰ)$n=2\,$のとき
$k=0,\,2\,(\because \,②)$
$1\leqq k\leqq n-1=1$を満たさないので不適。
(ⅱ)$n=7\,$のとき
$k=2,\,5\,(\because \,②)$
$1\leqq k\leqq n-1=6$を満たすので適する。
(ⅲ)$n=14\,$のとき
$k=5,\,9\,(\because \,②)$
$1\leqq k\leqq n-1=13$を満たすので適する。
(ⅰ)~(ⅲ)より、求める答えは、
$(n,\,k)=(7,\,2),\,(7,\,5),\,(14,\,5),\,(14,\,9)$
受験勉強・予習復習にはスタサプ
自宅でトップ講師による授業を受けることができるスタサプ。
予備校に通わなくても、スマホで自分のレベルに合わせて授業を受けることができます。
6教科19科目に対応。共通テスト対策講座や志望校別対策講座も全て見放題です。
(僕も数学の学び直しで活用していますが、控えめに言って最高です)
無料体験もあるので、本気で成績を伸ばしたい人はぜひ。
※無料体験はいつ終わるか分からないのでお早めに
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2023年一橋大学の問題を解説しました。
一橋大学は毎年整数問題が出題されるので、しっかりと整数問題を解けるようになっておきましょう。
また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。
参考書はとにかく自分に合ったレベルのものを1冊やり切ることがとにかく重要です。
レベルに応じた参考書をやり切る→数学力が向上→レベルに応じた参考書をやり切る→・・・と取り組んでいくことで力がつきます。
レベル別におすすめの参考書をまとめているので、参考書・問題集選びの参考にしてもらえれば幸いです。
今回は以上です。