今回取り扱う問題は2013年数学甲子園予選で出題された問題です。
感覚的に解となるものは$0,\,1,\,-1$あたりだなと分かるのですが、きちんと導出するのは意外と難しい問題です。
「あれ」を使えば簡単に求めることができるような問題です。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
$$x^6+y^6+z^6=3xyz$$
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
さて、今回の問題は整数問題なわけですが、整数問題を解く上で、9割以上は下記の解き方で解くことができます。
②条件から範囲を絞る
③倍数や余りに注目する
$x^6,\,y^6,\,z^6$が$x^3,\,y^3,\,z^3$ならば、右辺を左辺に持ってきて簡単に因数分解することができて積の形を作ることができるのですが、今回はそうはいきません。
そこでどうしようとなるのですが、感覚的に「左辺の$x^6+y^6+z^6$の方が、右辺の$3xyz$より上昇スピードは早い」という風には思って欲しいです。
そこで、範囲を絞ろうと考え、今回の問題は3変数の相加平均・相乗平均の関係を使えば簡単に範囲を絞り込むことができました。
3変数の相加平均・相乗平均
$a\geqq 0,\,b\geqq 0,\,c\geqq 0$のとき、
$\dfrac{a+b+c}{3}\geqq \sqrt[3]{abc}$ $(a+b+c\geqq 3\sqrt[3]{abc})$
(等号成立は$a=b=c$のとき)
それでは解答です。
解答・解説
解答
$x^6+y^6+z^6$
$=(x^2)^3+(y^2)^3+(z^2)^3$
$\geqq 3\sqrt[3]{(x^2)^3(y^2)^3(z^2)^3}$ $(\because \,相加平均・相乗平均の関係)$ $(等号成立はx^2=y^2=z^2のとき)$
$=3x^2y^2z^2$
$x^6+y^6+z^6=3xyz$であるから、
$3xyz\geqq 3x^2y^2z^2$
$\Leftrightarrow xyz-(xyz)^2\geqq 0$
$\Leftrightarrow xyz(1-xyz)\geqq 0$
$\therefore \, 0\leqq xyz \leqq 1$
$\therefore \, xyz=0 \,または,\,xyz =1\cdots ①$ $(\because \,x,\,y,\,zは整数)$
このとき、$x^2=y^2=z^2\cdots ②$ $(\because \,等号成立条件より)$
①,②より、求める$(x,\,y,\,z)$は、
$(x,\,y,\,z)=(0,\,0,\,0),\,$ $(1,\,1,\,1),\,$ $(1,\,-1,\,-1),\,$ $(-1,\,1,\,-1),\,$ $(-1,\,-1,\,1)$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2013年数学甲子園の予選の問題を解説しました。
整数問題に相加平均・相乗平均の関係を使う面白い問題でした。発想力が問われるので意外と差がついた問題なのではないかと思います。
また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。
参考書はとにかく自分に合ったレベルのものを1冊やり切ることがとにかく重要です。
レベルに応じた参考書をやり切る→数学力が向上→レベルに応じた参考書をやり切る→・・・と取り組んでいくことで力がつきます。
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今回は以上です。