今回取り扱う問題は2013年京都大学で出題された問題です。
整式の割り算と整数を組み合わせたような問題で、整数問題でよく出題される重要な性質を利用するような問題です。
それではさっそくやっていきましょう。
問題文
(1)$a\,$と$\, b\,$は整数であることを示せ。
(2)$a\,$と$\, b\,$をともに割り切る素数は存在しないことを示せ。
これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
解答・解説
では、上記の通り、ポイントを抑えたところで解説です。
(1)の解答
商を$Q(x)\,$とする。
$x^n=Q(x)(x-k)(x-k-1)+ax+b$
$x=k\,$を代入すると
$k^n=ak+b\cdots$①
$x=k+1\,$を代入すると
$(k+1)^n=a(k+1)+b\cdots$②
②-①より
$a=(k+1)^n-k^n$
これを①に代入すると
$k^n=k(k+1)-k^{n+1}+b$
$b=k^n(k+1)-k(k+1)^n$
$\quad =k(k+1)\{k^{n-1}-(k+1)^{n-1}\}$
$n,\, k\,$は自然数より、$a,\, b\,$はともに整数。
(2)の解答
$a,\, b\,$をともに割り切る素数が存在すると仮定し、その素数を$\, p(\geqq 2)\,$とおく。
$a=\alpha p,\, b=\beta p\,(\alpha ,\, \beta$は整数$)$とおける。
①に代入すると、
$k^n=\alpha pk+\beta p$
$\quad = (\alpha k+\beta )p$
②に代入すると、
$(k+1)^n=\alpha p(k+1)+\beta p$
$\qquad \qquad =\{\alpha (k+1)+\beta\} p$
$p\,$は素数であるから、$k\,$も$\, k+1\,$も素因数$\, p\,$をもつ。
これは、$k,\, k+1\,$は連続する2つの自然数であり、互いに素であることに矛盾。
$\therefore \,$題意は示された。
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2013年京都大学の整数問題を解説しました。
連続する2つの整数は互いに素であることは、頻出なので連続する2つの整数を見かけたら「互いに素を利用できないかな?」とアンテナを張ることが大事です。
また、連続する2つの整数は互いに素であることは、証明なしで利用しても問題ないかとは思いますが、採点基準のことははっきりは言えません。不安なら証明してから記述することをおすすめします。
連続する2つの整数は互いに素であることを証明しろという問題も、各大学で何度も出題されているので、確実に証明できるようになっておきましょう。
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