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2つの二次関数の大小関係の入試問題!2011年神戸大学後期大問1

2つの二次関数の大小関係の難問!2011年神戸大学後期大問1 数Ⅰ
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今回取り扱う問題は2011年神戸大学の後期で出題された問題です。

2つの二次関数の大小関係を考えさせられる問題で、意外と苦手な人も多く差がつくような問題です。

2つの二次関数の大小関係の問題は一度解いておけば、確かな力になるので、ぜひ最後までお読みください。

それではさっそくやっていきましょう。

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問題文

$a\,$を実数とし,$f(x)=x^2-2x+2,\, g(x)=-x^2+ax+a\,$とする。以下の問に答えよ。
(1)すべての実数$\, s,\, t\,$に対して$\, f(s)\geqq g(t)\,$が成り立つような,$a\,$の値の範囲を求めよ。
(2)$0\leqq x\leqq 1\,$を満たすすべての$\, x\,$に対して,$f(x)\geqq g(x)\,$が成り立つような$\, a\,$の値の範囲を求めよ。

これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。

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本問題を解く上での考え方・ポイント

本問題の考え方・ポイントを解説していきます。

(1)と(2)は問題文だけ見ると同じような問題に見えますが、考え方は全く異なります。

(1)の考え方・ポイント

(1)は$\, s,\, t\,$を考えるということで、関数$\, f(x),\,g(x)\,$はそれぞれ異なる$\, x\,$の値を取ってよいです。
($f(x)\,$については、$x=s\,$のとき。$g(x)\,$については、$x=t\,$のとき。)

そして、今回考えるのは$\, f(s)\geqq g(t)\,$。

つまり、関数$\, f(x)\,$が最小値を取るときでさえも、関数$\, g(x)\,$の最大値より大きければ、どんな実数に対しても、$\, f(s)\geqq g(t)\,$が言えます。

$f(x)\,$は下に凸の二次関数、$g(x)\,$は上に凸の二次関数なので、頂点同士を比較すれば解けそうです。

(2)の考え方・ポイント

(1)と似たような問題に見えますが、今回は同じ$\, x\,$のときを考えます。
((1)は異なる$\, x\,$のときを考えていました。)

つまり、グラフで表すと以下のようなものです。
(原点やどちらのグラフが$y=f(x)$かなど書いておらず申し訳ございません。)

(2)の2つの二次関数のグラフを表した画像

$0\leqq x\leqq 1\,$の範囲で、同じ$\, x\,$のときを考えた時に、$f(x)\,$が$\, g(x)\,$以上になっているような2つのグラフの関係です。

$f(x)-g(x)\,$を考えて、これが$\,0\leqq x\leqq 1\,$の範囲で$\, 0\,$以上になっていれば、$0\leqq x\leqq 1\,$の範囲で$f(x)\geqq g(x)\,$が成り立っていると言えます。

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解答・解説

上記のポイントを踏まえたところで、解答です。

(1)の解答

$f(x)\,$の最小値が$\, g(x)\,$の最大値以上となればよい。

$f(x)=x^2-2x+2$
$\qquad =(x-1)^2+1$

$\therefore \,$ $y=f(x)\,$は頂点$\,(1,\, 1)\,$の下に凸の二次関数。

$g(x)=-x^2+ax+a$
$\qquad = -(x-\frac{a}{2})^2+\frac{a^2}{4}+a$

$\therefore \,$ $y=g(x)\,$は頂点$\,(\frac{a}{2},\, \frac{a^2}{4}+a)\,$の上に凸の二次関数。

$\therefore \,$ $1\geqq \frac{a^2}{4}+a$
$\Leftrightarrow a^2+4a-4\leqq 0$
$\Leftrightarrow -2-2\sqrt{2}\leqq a \leqq -2+2\sqrt{2}$

(2)の解答

$f(x)-g(x)\,$が$\, 0\leqq x \leqq 1\,$で、$0\,$以上になればよい。

$f(x)-g(x)\,$を$\, h(x)\,$とおく。

$h(x)=(x^2-2x+2)-(-x^2+ax+a)$
$\qquad =2x^2-(a+2)x+(2-a)$
$\qquad =2\big (x-\dfrac{a+2}{4}\big )^2 +\dfrac{-a^2-12a+12}{8}$

$\therefore \,$ $y=h(x)\,$は頂点$\,\big ( \dfrac{a+2}{4},\, \dfrac{-a^2-12a+12}{8} \big ) \,$の下に凸の二次関数。

これが$\, 0\leqq x \leqq 1\,$の範囲で$\, 0\,$以上になればよい。

(ⅰ)$\dfrac{a+2}{4}\leqq 0\,$すなわち、$a\leqq -2\,$のとき

$h(x)$の最小値は$h(0)=2-a$
$h(0)\geqq 0\,$となればよいので、$a\leqq 2$

$\therefore \,$ $a\leqq -2$

(ⅱ)$0<\dfrac{a+2}{4} \leqq 1\,$すなわち、$-2<a\leqq 2\,$のとき

$h(x)$の最小値は$h(\frac{a+2}{4})=\dfrac{-a^2-12a+12}{8}$

この最小値が$\, 0\,$以上になればよいので、
$\dfrac{-a^2-12a+12}{8}\geqq 0$
$\Leftrightarrow$ $a^2+12a-12 \leqq 0$
$\Leftrightarrow$ $-6-4\sqrt{3} \leqq a \leqq -6+4\sqrt{3}$

$\therefore \,$ $-2<a\leqq -6+4\sqrt{3}$

(ⅲ)$\dfrac{a+2}{4} >1\,$すなわち、$a>2\,$のとき

$h(x)$の最小値は$h(1)=2-2a$

この最小値が$\, 0\,$以上になればよいので、
$2-2a¥geqq 0$
$\therefore \,$ $a\leqq 1$

$a>2\,$のときを考えているので、不適。

(ⅰ)〜(ⅲ)より、求める$\, a\,$の値の範囲は、
$a\leqq -6+4\sqrt{3}$

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さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回は2011年神戸大学の2つの二次関数の大小関係の問題を解説しました。

異なる$\, x\,$のときを考えるのか、同じ$\, x\,$を考えるのかで考え方は異なります。問題文から2つの二次関数のグラフがどのようになっているときをか想像することが重要です。

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