今回取り扱う問題は2007年京都大学の問題です。
素数が絡んだ整数問題で、差がつくような問題でした。
整数問題を出題する難関大学は多いので、難関大学を目指している人はぜひとも取れるようになっておきたい問題です。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
$a+b+c+d=0,$ $ad-bc+p=0,$ $a\geqq b\geqq c\geqq d$
を満たすとき、$a,\,b,\,c,\,d\,$を$\,p\,$で表せ。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
整数問題のほとんどの問題は以下の3つの解き方を使って解くことができます。
②条件から範囲を絞る
③倍数や余りに注目する
$p\,$は$\,3\,$以上の素数と言っているので、できれば$\,p\,$を積の形に持っていきたいです。
$m\cdot n = p$ $(m,\,n\,$は整数$)$という形に持っていくことができれば、$m,\,n\,$は$\pm 1,\,\pm p\,$とかなり絞ることができます。
ということで、なんとかして$\,p\,$を積の形に持っていきたいです。
解答・解説
考え方・ポイントを踏まえたうえで、本問題の解答です。
解答
$a+b+c+d=0$ $\cdots$①
$ad-bc+p=0$ $\cdots$②
$a\geqq b\geqq c\geqq d$ $\cdots$③
①より
$d=-(a+b+c)$ $\cdots$①’
①’を②に代入すると、
$-a(a+b+c)-bc+p=0$
$\Leftrightarrow a^2+(b+c)a+bc=p$
$\Leftrightarrow (a+b)(a+c)=p$ $\cdots$④
③より、$b\geqq c$であるから、$a+b\geqq a+c$ $\cdots$⑤
①,③より、$2(a+b)\geqq a+b+c+d=0\,$であるから、
$a+b\geqq 0$ $\cdots$⑥
④,⑤,⑥より、$(a+b,\,a+c)=(p,\,1)$
このとき、
$b=p-a$
$c=1-a$であり、これらを①に代入すると、
$a+(p-a)+(1-a)+d=0$
$\Leftrightarrow d=a-p-1\,$と表すことができる。
③に代入すると、
$a\geqq p-a \geqq 1-a \geqq a-p-1$ $\cdots$⑦
⑦より
$\dfrac{p}{2}\leqq a \leqq \dfrac{p+2}{2}$
$p\,$は$\,3\,$以上の素数、$a\,$は整数より、
$a=\dfrac{p+1}{2}$
$b=p-a,\,c=1-a,\, d=a-p-1\,$に代入して、
$(a,b,c,d)=(\dfrac{p+1}{2},\dfrac{p-1}{2},-\dfrac{p-1}{2},-\dfrac{p+1}{2})$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は2007年京都大学の整数問題を解説しました。
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