PR

2003年京都大学理系大問4の解答・解説【ωを扱う問題】

2003年京都大学理系大問4の解答・解説【ωを扱う問題】 数Ⅱ
スポンサーリンク

今回取り扱う問題は2003年京都大学の理系の問題です。

 

$x^2+x+1$を見た瞬間に、「あれを使うんだな」と反応できるかどうかがポイントとなってくるような問題でした。

 

 

それではさっそくやっていきましょう。

勉強おすすめアイテム

created by Rinker
¥1,258 (2024/12/22 15:51:34時点 楽天市場調べ-詳細)

スポンサーリンク

問題文

 多項式$(x^{100}+1)^{100}+(x^2+1)^{100}+1$は多項式$x^2+x+1$で割り切れるか

これから先は解説になります。
自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。

スポンサーリンク

動画で解説を見たい方へ

YouTubeでも本問題を解説しています。

動画での解説は下記より確認できます。

 

YouTubeでも数学・算数の良問や難問を解説しています。
良かったらチャンネル登録お願いします。

チャンネル登録はこちら

スポンサーリンク

本問題を解く上での考え方・ポイント

まず、$x^2+x+1$という式を見て、反応できるかがポイントです。

 

$x^2+x+1$を見た瞬間に、「1の3乗根の$\omega$を使うんだろうな」と気付けるかがポイントでした。

 

$\omega$についての復習

問題の解説に入る前に、簡単に$\omega$について復習しておきます。

 

$\omega$とは・・・1の3乗根のうち虚数のものを$\omega$で表す(ことが多い)

 

3乗して1になるものを考えるので,
$x^3=1$を解いたものの一つの解が$\omega$ということです。

$x^3=1$
$\Leftrightarrow x^3-1=0$
$\Leftrightarrow (x-1)(x^2+x+1)=0$

$x^2+x+1=0$を解くと、$x=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$

この一つを、$\omega$と一般的には表します。

 

そして、$\omega$には重要な性質が主に4つあります。

 

$\omega = \frac{-1+\sqrt{3}i}{2}$とすると、もう一つの解を$\bar{\omega} = \frac{-1-\sqrt{3}i}{2}$と表すことができ、重要な性質が以下の4つです。

①$\omega ^3 = \bar{\omega} ^3 = 1$
②$\omega ^2 + \omega + 1 = \bar{\omega}^2 + \bar{\omega} + 1 = 0$
③$\omega ^2 = \bar{\omega}$
④$\omega \cdot \bar{\omega} = 1$
1の3乗根は$1,\omega,\bar{\omega}$ということですが、③の性質から1の3乗根は$1,\omega,\omega ^2$とも言えます。

本問題の方針

さて、$\omega$についての性質を解説したところで、本問題の方針について考えていきます。

 

$x^2 + x + 1$で割り切れるということは、$x^2 + x + 1$を因数に持つということです。

 

また、$x^2 + x + 1=0$の解が$x=\omega , \bar{\omega}(\omega ^2)$ということなので、因数定理より$x^2 + x + 1=(x-\omega)(x-\bar{\omega})\, ($または$(x-\omega)(x-\omega ^2))$と表すことができます。

 

以上のことから以下のことが言えます。

多項式$f(x)$が$x^2+x+1$を因数に持つ
$\Leftrightarrow f(\omega)=f(\bar{\omega})\, ($または$f(\omega ^2))=0$
なので、今回の問題も多項式$(x^{100}+1)^{100}+(x^2+1)^{100}+1$の$x$に$\omega$と$\bar{\omega}(\omega ^2)$を代入してみて、どちらも0になれば$x^2 + x + 1$で割り切れるということになります。
スポンサーリンク

解答・解説

解説

多項式$(x^{100}+1)^{100}+(x^2+1)^{100}+1$を$f(x)$とでも置いて、$f(\omega)$と$f(\bar{\omega})$を計算して、0になるか確認しましょう。

 

また、いきなり$\omega$を使うわけにはいかないので、自分で$\omega$についての性質を記述してから$\omega$を使用していきます。

 

解答

$f(x)=(x^{100}+1)^{100}+(x^2+1)^{100}+1$とおく。
方程式$x^2+x+1=0$を解くと
$x=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$
$\omega=\frac{-1+\sqrt{3}i}{2}$ $,$ $\bar{\omega} = \frac{-1-\sqrt{3}i}{2}$とする。

$x^2+x+1=0$の解が$x=\omega , \bar{\omega}$なので,
$\omega ^2 + \omega + 1 = \bar{\omega}^2 + \bar{\omega} + 1 = 0 \cdots ①$

また、$(\omega -1)(\omega ^2 + \omega + 1)=\omega ^3 -1=0$
$(\bar{\omega} -1)(\bar{\omega} ^2 + \bar{\omega} + 1)=\bar{\omega} ^3 -1=0$より、
$\omega ^3 = \bar{\omega} ^3 = 1 \cdots ②$

$f(\omega)=(\omega ^{100} + 1)^{100}+(\omega ^2 + 1)^{100} + 1$
$=(\omega + 1)^{100} + (-\omega)^{100} + 1(\because \,$①,②より$)$
$=(-\omega ^2)^{100} + (-\omega)^{100} + 1(\because \,$①より$)$
$=\omega ^{200} + \omega ^{100} + 1$
$=\omega ^{198} \cdot \omega ^2 + \omega ^{99} \cdot \omega + 1$
$=\omega ^2 + \omega + 1(\because \,$②より$)$
$=0(\because \,$①より$)$

$f(\omega)$も同様に計算すると、$f(\bar{\omega} ) = 0$となる。

$\therefore \,$ $f(x)$は、$x-\omega,\, x-\bar{\omega}$を因数に持つ。

$x^2+x+1=(x-\omega)(x-\bar{\omega} )$であるから、
$f(x)$は$x^2+x+1$で割り切れる。

受験勉強・予習復習にはスタサプ

自宅でトップ講師による授業を受けることができるスタサプ。
予備校に通わなくても、スマホで自分のレベルに合わせて授業を受けることができます。

6教科19科目に対応。共通テスト対策講座や志望校別対策講座も全て見放題です。
(僕も数学の学び直しで活用していますが、控えめに言って最高です)

無料体験もあるので、本気で成績を伸ばしたい人はぜひ。

※無料体験はいつ終わるか分からないのでお早めに

スポンサーリンク

さいごに

いかがでしたでしょうか。

 

今回は2003年京都大学の問題を解説しました。

 

$\omega$を扱う問題は、あまり出ないですが、出たら絶対に落としたくないような問題です。

 

ぜひ取れるようになってもらえると嬉しいです。

 

また、数学の成績を伸ばしたいと考えている方向けにおすすめの数学の参考書を下記でまとめています。

【高校数学】レベル別!おすすめの参考書を詳しく紹介
高校数学でおすすめの参考書、問題集をレベル別に応じて紹介します。どんな人にどの参考書がおすすめかまで解説しているので、自分にぴったりの参考書が見つかるはずです。数学力を伸ばしたい、数学を得点源にしたいと考えている方必見です。

参考書はとにかく自分に合ったレベルのものを1冊やり切ることがとにかく重要です。

 

レベルに応じた参考書をやり切る→数学力が向上→レベルに応じた参考書をやり切る→・・・と取り組んでいくことで力がつきます。

 

レベル別におすすめの参考書をまとめているので、参考書・問題集選びの参考にしてもらえれば幸いです。

今回は以上です。

受験勉強・予習復習にはスタサプ

自宅でトップ講師による授業を受けることができるスタサプ。
予備校に通わなくても、スマホで自分のレベルに合わせて授業を受けることができます。

6教科19科目に対応。共通テスト対策講座や志望校別対策講座も全て見放題です。
(僕も数学の学び直しで活用していますが、控えめに言って最高です)

無料体験もあるので、本気で成績を伸ばしたい人はぜひ。

※無料体験はいつ終わるか分からないのでお早めに

タイトルとURLをコピーしました