今回取り扱う問題は1999年京都大学の文系の問題です。
三角比の問題で、式変形でゴリゴリ解けなくもないですが、問題文がどのようなことをいっているかを落ち着いて考えることで簡単に解くことができます。
それではさっそくやっていきましょう。
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問題文
これから先は解説になります。 自力で解いてみたい方は、ここでいったんストップして挑戦してみてください。
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本問題を解く上での考え方・ポイント
$\,\sin ^2\alpha+\sin ^2\beta=\sin ^2(\alpha + \beta)\,$をゴリゴリ式変形しても解けなくはないです。
ですが、その前の条件の$\,\alpha > 0^\circ ,\, \beta >0^\circ ,\,\alpha + \beta < 180^\circ\,$に注目してみましょう。
この条件からどのようなことが言えるか考えてみると以下のことが言えます。
解答・解説
解答
条件より、$\alpha ,\, \beta \,$は三角形の内角と考えることができる。
$\triangle ABC$において、$\angle A = \alpha,\, \angle B = \beta,\,\angle C = 180^\circ -(\alpha + \beta)\,$として、以下の三角形を考える。
$\triangle ABC$の外接円の半径を$R$とすると、正弦定理より、
$\displaystyle\frac{a}{\sin \alpha}=2R$
$\displaystyle\frac{b}{\sin \beta}=2R$
$\displaystyle\frac{c}{\sin\{ 180^\circ – (\alpha + \beta)\}}=\displaystyle\frac{c}{\sin (\alpha + \beta)}=2R$
これらと、条件$\,\sin ^2\alpha+\sin ^2\beta=\sin ^2(\alpha + \beta)\,$より、
$\displaystyle \biggl(\frac{a}{2R}\biggr)^2 + \displaystyle \biggl(\frac{b}{2R}\biggr)^2 = \displaystyle \biggl(\frac{c}{2R}\biggr)^2$
$\Leftrightarrow$ $a^2+b^2=c^2$
$\therefore \,$ $\angle C = 90^\circ$ $(\because \, 三平方の定理)$
$\therefore \,\alpha + \beta=90^\circ$
$\therefore \, \sin\alpha + \sin\beta$
$=\sin\alpha + \sin (90^\circ -\alpha)\,(\because \, \alpha + \beta = 90^\circ)$
$=\sin\alpha + \cos\alpha$
$=\sqrt{2}\sin (\alpha+45^\circ)$
$0^\circ < \alpha < 90^\circ$なので,$45^\circ<\alpha + 45^\circ < 135^\circ$であるので,
$\displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}<\sin (\alpha+45^\circ)\leqq 1$
$\Leftrightarrow$ $1<\sqrt{2} \sin (\alpha + 45^\circ) \leqq \sqrt{2}$
よって,求める答えは,
$1<\sin\alpha + \sin\beta \leqq \sqrt{2}$
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さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は1999年京都大学の問題を解説しました。
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今回は以上です。